マッピング試験の組み合わせ:真空オーブン、倉庫、LN2タンク、CO2 

保管倉庫のバリデーションにおけるマッピング試験のグラフ
Paul Daniel
Paul Daniel
Senior GxP Regulatory Expert
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ライフサイエンス

継続的なマッピング」のウェブセミナー(英語のみ)開催後、いくつかの質問を受けました。 

Paulさん、 

弊社ではマッピングの用途が複数あります。Paulさんからご意見をいただいた後、当社の手順を改善することができるように、当社の取り組み方をいくつか大まかに説明させてください。

シナリオ 1:

熱を発生させる棚を10個備えた真空オーブンがあり、各棚にはトレイがあります。トレイが大きすぎる場合は、空いたスペースを使用して2つの小さなトレイに交換します。

最初のマッピングは、元の大きなトレイを使用して実施しています。最初のマッピングが完了したら、その大きなトレイを各棚にある同じ材料から作られた2つの小さいトレイに交換します。その2つの小さいトレイでマッピング調査を繰り返す必要がありますか。

シナリオ 2:

当社の保管倉庫には、3年間にわたる定期的なマッピング調査のデータがあります。このデータは、夏の間だけ実施されたマッピングから得られたものです。夏は、気温が高いため、最悪の期間と考えられています。しかし、最初の適格性評価では、冬と夏の両方のマッピングを実施しました。こういった元の調査から、モニタリングプローブの位置を定義することもできました。

以下は現在の状態です。 
•    モニタリングプローブ:1つは最も高温のポイントにあり、もう1つは最も低温のポイントにあります。
•    モニタリングプローブの位置の再評価:3年ごとに行っています。

質問は、これらの2つのプローブがモニタリングシステムに接続され、データの収集を開始したら、それを継続的なマッピングと見なすことができるかということです。

シナリオ 3:

Paulさんのプレゼンテーションによれば、モニタリングプローブの位置を再評価するための3年間の定期的なマッピング調査では、冬と夏の季節を考慮する必要があるとのことです。

2つのモニタリングプローブが極端な条件の場所に設置されており、夏が最悪の期間と考えられる場合、最初の冬の調査の後に、なぜ冬のマッピングの実施を検討すべきなのですか。 
どうぞよろしくお願いします。

Paulの返答: 

ウェブセミナーへのご参加と素晴らしいご質問をありがとうございます。 

シナリオ 1: 

まず、真空オーブンのマッピングは、開始と終了が定義された動的プロセスのバリデーションまたは適格性評価であり、終了までに達成する必要のある製品基準(乾燥度や重量の変化など)であることを申し上げたいと思います。 
これは、保管のマッピングとは非常に異なるマッピングプロセスです。 誤解のないように申し上げると、ウェブセミナーでお伝えした推奨事項は保管のためのものでした。 もちろん、いくつかの原則は重なり合っていますが、プレゼンテーションが保管のマッピングに焦点を合わせていたことをご理解ください。 とはいえ、いただいたご質問にお答えしたいと思います。 

真空オーブンの場合は、マッピングを繰り返します。異なる大きさや異なる材料の異なるトレイを使用すると、加熱された棚からトレイへの熱の伝達が変わり、最終的な性能と各製品の位置に供給される熱の量が変わる可能性があります。

シナリオ 2: 

これは、 ウェブセミナーで概要が説明されている継続的なマッピングではありません。 確かに継続的ですが、マッピングではありません。 マッピングは、プローブの位置のみを使用して実施することはできません。 ホットスポットとコールドスポットは時間が経過しても変わらないとお考えのことと思います。 データが2か所のみから収集された場合、これを証明することはできません。継続的なマッピングには、高密度に配置されたセンサによって、連続的にサンプリングが行われることが必要です。 

シナリオ 3: 

冬や夏は、「最も困難な季節」または「1年で最も暑い時期と最も寒い時期」という解釈の方がより適切です。 お住まいの地域の寒い季節が倉庫の保管に問題を引き起こすほど寒くない場合は、おそらく冬にはマッピングは必要ありません。 しかし、冬のマッピングが施設で行われない根拠を示した文書を提出するなど、それでも何かを行う必要があります。

まとめ: 
2つのセンサをそれぞれ特定されたホットスポットとコールドスポットに 1つずつ置いて、倉庫を監視するという決定に疑問を感じます。 これでは、季節を除いて、保管倉庫の動的温度が変わらないと想定していることになります。 しかし、保管倉庫の状態はさまざまな理由から変化することがわかっています。機器が故障した、人員が手順に従わないで設定値を変更した、ドアが誤って開けたままにされたなどです。 

おそらく、状態を変える最も一般的な行為は、製品を空気の流れと熱の分布を変えるような場所に置くことです。 これだけでも、ホットスポットとコールドスポットが配置されている場所に影響を与え、2つのセンサでは検出することができません。 私なら、保管倉庫が非常に小さい(100立方メートル未満)場合を除いて、監視場所をいくつか追加するでしょう。 ホットスポットとコールドスポットを監視することが求められていますが、ホットスポットとコールドスポット "のみ" を監視している場合は、ガイダンスと慣行を誤って解釈しています。  

疑問点があれば、お知らせください。

Paulさん、 

業界の慣行として、以下のマッピング試験の前後に、事前校正と事後校正のチェックを実施する必要がありますか。
1.    環境試験槽のマッピングで使用されているヴァイサラ温度湿度ロガー
2.    CO2試験槽用ヴァイサラ GMP251 CO2 プローブVL-4000-40C アナログロガー
3.    LN2 ユニット用ヴァイサラ VL-170054T 熱電対ロガー

Paulの返答: 

多岐にわたるご質問をいただき、ありがとうございます。最善を尽くして、お答えします。

まず、環境試験槽のマッピングで使用されている当社の温度湿度データロガーについて、ご質問いただきました。 
一般に、どの温度センサでも、マッピング時に事前校正と事後校正のチェックを実施するでしょう。 これは変えられないわけではありませんが、熱電対など、特に使用に伴ってドリフトする傾向のあるセンサを使用する場合は一般的な慣行です。 

熱電対の精度がドリフトするという傾向は知られており、事前校正と事後校正が実施されるようになりました。年配の検査官や監査官はこの段階が踏まれるのを期待していることがわかっています。 しかし当社には、当社のロガーを使用する顧客としてマッピングサービスプロバイダーが存在します。これらのプロバイダーは事前校正と事後校正を行わず、工場の校正証明書を検証するだけです。 これは、機器の安定性の認識とプロバイダーの経験に基づいています。こういったサービスプロバイダーは、ヴァイサラ製品に関する十分な経験を持っているため、マッピングデータロガーが校正に合格しないのは非常にまれであることを知っているのです。 

当社独自の内部調査から、当社のデータロガーが校正に合格しない確率は約2%であることがわかっています。 しかし、質問者の方はこのような経験や信頼できるデータをお持ちでないので、私なら、ただ安全第一と考えて、簡単な事前校正と事後校正の手順を踏むでしょう。特別なことは何もありません。調査の前後に、マッピングするスペースにある小さな箱にマッピングロガー(と基準ロガー)を1時間入れて、すべての値が基準ロガーの0.2°C以内にあることを示すだけです。

続いてのご質問は、CO2試験槽用のGMP251 CO2 プローブとVL-4000-40C アナログデータロガーに関するものでした。 
厳密に言えば、これらを使用してマッピングすることはありません。 ガスは非常に速く拡散する傾向があるため、特に閉鎖された空間では、ほぼ瞬時に平衡状態に達します。 同意されるのであれば、単一のポイントだけで計測している可能性があります。 私なら、試験槽の統合されたCO2センサの校正が行われたことを検証するだけでしょう。 

しかしマッピング中にCO2を単独で監視したければ、校正のある種の検証が適切であろうと思います。 使用する予定のCO2センサが調査中に大幅にドリフトすると予想される理由がありますか。 CO2センサの履歴データをあまりお持ちでなければ、事前校正と事後校正を行うと便利です。
ただし、これらの機器の校正は温度センサの場合ほど容易ではありませんが、基準として使用するための別の校正済みの計測機器があれば、簡単でちょうどよいチェックをおそらく使用時点で実施することができるでしょう。 ここでは、完全な校正を求めているわけではありません。 計測機器が正確であると考えられる理由を示すための簡単なチェックの手順を踏むだけです。

最後に、LN2ユニットで使用されているヴァイサラ VL-170054T 熱電対ロガーについてのお話がありました。特に熱電対を使用してマッピングしていらっしゃる場合、私なら間違いなく事前校正と事後校正のチェックを行うでしょう。 繰り返しになりますが、このチェックは複雑である必要はなく、センサの精度を文書化するだけで十分です。 

液体窒素の温度では、熱電対には多くの誤差が生じることにご注意ください。 私の経験では、LN2ユニットのマッピングは困難です。 昔、いくつかのLN2の保存デュワー瓶をマッピングしなければならず、最終的には終わらせることができました。しかし、放射状に対称な空間をマッピングするのは難しく、温度変化の最大の原因は瓶の構造様式による生来の断熱不良であったこと以外は、実際にはそれほど多くの結論を得ることはできませんでした。 
 

簡単なマッピング:センサの配置場所とその理由

このオンデマンドウェブセミナーでは、ヴァイサラのシニアレギュラトリエキスパートであるPaul Danielが、マッピングに関する規制と業界のガイダンスについて考察します。監査中のマッピング調査の防御性を維持しながら、必要なセンサの総数を減らすための、リスクベースのバリデーション方法の概要が説明されています。 

トピック:

  • 世界的な規制の変更とGDPに関するガイダンスの考察
  • 保管スペースが確実に仕様を満たす技術の習得
  • センサの配置に影響を与える重要な要因の考察
  • マッピングのためにセンサと体積の効果的な比率を生成する方法の習得

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